認知症とその前段階の軽度認知障害の人は国内で1000万人を超え、さらに増加すると見込まれる。現状、支援につながるのは症状がかなり進行した後が多く、その時に詐欺被害、行方不明など生活に大きな支障を来していることもある。滋賀・野洲市では地域の見守りネットワークを作り、金融機関、運送会社、コンビニなど47の事業者と協定を結んでいる。「通帳を何度も紛失」といった異変を発見したら、市役所へ通報する仕組みで、早期支援につながった事例もある。ただ、見守りネットワークの設置は全体の3割未満に留まっている。認知症の人が急増する一方、支援体制の整備が追いついていない課題もある。職員やスタッフの報酬が低く、人材確保に苦慮しているところも少なくなく、国・自治体は予算拡大を検討するべきだという。また、民間の相談体制も強化が必要。群馬・高崎市では市内13の介護事業者が連携し、相談所を開設している。