栃木4区は前回、自民党の候補が立憲民主党の候補におよそ4800票差で競り勝った。今回立候補したのは前回対決した2人に共産党の候補も加わって論戦を交わしている。自民党の佐藤勉候補はこれまでおよそ28年にわたって衆議院議員を務めてきた。総務大臣などを歴任したが、ことしで72歳。一時は立候補しないことも考えたというが、自民党が厳しい状況にある中では引けないと決意した。農業関係者との集会では28年の実績を一緒に振り返った。さらに災害に強いインフラを整えるため法律を改正することで農地などを守っていくと強調した。支えるのは長年の支援者たち。小学校の同級生は親しみを込め、べんと呼ぶ佐藤候補のために一日数百キロ以上、選挙カーを走らせることもあるという。さらに党本部からも小泉選対委員長が応援が入った。共産党の川上均候補は今回が6回目の衆議院選挙への挑戦。ただ、過去5回は隣の栃木5区からの立候補だった。候補者がいなければ党の主張を4区の有権者に届けられないと、本来の地盤を離れて議席を目指している。そんな川上候補を支えるのは、4区で活動している共産党の地方議員。有権者の目にとまりやすい場所はどこか、地域を知り尽くしている地方議員がスケジュールを組み浸透を図る。訴えるのは政治とカネの問題。そして物価高騰が続く中での大幅な賃上げ。地元の人たちが集まるスーパーでの演説を繰り返している。立憲民主党の藤岡隆雄候補は前回比例代表で復活当選したが、過去4回小選挙区で自民党に敗れている。今回こそ勝利したいと意気込んでいる。陣営が掲げるスローガンは感謝。挑戦を支えてくれる支援者への思いを込めた。小選挙区での勝利に重要なのが農村地域。前回の選挙で票が伸び悩んだから。みずから自転車をこいで回り支持拡大を目指している。藤岡の訴えの1つが経済対策。円安の中で続く物価の高騰、暮らしをよくするため金融緩和の見直しなどに取り組む必要があるとしている。野田代表を始め党の幹部も後押ししている。選挙戦は最終盤へ、議席を目指す争いは激しさを増している。