エコノミストで昭和女子大学研究員、企業ファイナンスを専門にしている崔真淑が解説。最近の金価格上昇には3つの要因が重なっている。1つ目はアメリカの金融緩和の継続期待。歴史的に金利低下と金には逆相関の動きがある。2つ目は世界の中央銀行が金を購入していること。彼らはヘッジファンドと違い、一度購入するとなかなか売りに出さないということもあり、それが金の価格を下がりにくくさせている。3つ目は地政学リスク。世界各地で戦争が行われており、東西諸国で対立が深刻になっている。株や債権とも相関が小さい金への需要を加速させようという投資家が増えているのだろう。金に注目が集まっていることにはアメリカドルに対する信頼の揺れが大きく影響。世界で最も価値があるとされてきたのが基軸通貨であるドルだったが、世界中で国同士の対立が起き、アメリカの先行きも見えにくくなった。世界の外貨準備に占める米ドルの比率は、1999年は71%、2024年は58%。ドルを売って金を買う中央銀行が増えている。混沌とした時代だからこそ資産を分散させて資産保全をしたいという層が増えているよう。個人で金に投資する場合の注意点は税金、現物で買うと売却時の計算が非常に厄介であり、時と場合によっては税率が高くなりやすい。ETFには単に金価格に連動するように設計されている場合もあるので、金を裏付け資産として保有しているのかも加味する必要がある。基本は資産分散が最高のリスク分散。
