千葉県銚子市の沖合では三菱商事や中部電力の子会社などで作る事業体が国の公募を経て洋上風力発電の建設計画を進めていて、3年後の2028年の運転開始に向けて先月、関連する設備の着工が予定されていた。これについて事業者側が現状では着工の見通しが立たないとする状況をきのうまでに地元の関係者や県などに対し伝えていたことが分かった。関係者によると事業者側は円安や資材価格の高騰に伴うコストの大幅な増加を理由に挙げたうえで、事業の仕組みを見直して撤退とならないよう努めると述べたという。洋上風力発電をめぐっては事業体を構成する三菱商事が「当初の想定を上回る事業環境の変化に伴い事業の採算性を再評価する」と公表しているほか、中部電力も当初よりコストがかさむことが明らかになったとして去年4月から12月までの決算で179億円に上る損失を計上している。