踏切が設置されていない線路を横断する郵便配達員の姿を「イット!」のカメラが捉えた。神奈川県鎌倉市の江ノ島電鉄には踏切ではないが住民らが日常的に線路を横断する“勝手踏切”がある。本来は違法で、勝手踏切をめぐっては4年前、ゴミ出しのために線路内に進入した女の子が電車にはねられ一時重体となる事故が起きている。取材中、至るところで勝手踏切を発見。広島市のJR可部線でも去年10月、高齢の男性が列車と接触し死亡する事故が相次いで発生している。国土交通省が調べた結果、勝手踏切の数は全国で計1万5553か所に上ることが分かった。4年前に行った前回の集計から1割弱しか減っていなかった。専門家によると、勝手踏切は住民らが長年生活道路として利用しているため、黙認されているケースが多いと指摘する。江ノ島電鉄は進入止めや注意喚起の看板を設置して事故防止に努めている。鉄道ジャーナリスト・渡部史絵氏は、国交省は踏切の新規設置を基本的に認めていない、鉄道事業者ばかりに負担がいってしまい安易に勝手踏切を閉鎖できないと話した。