2005年に藤沢市教育委員会が出版した「湘南の誕生」の著者の大屋悠三子さんに、湘南のキーワードの広がりについて伺った。1903年の新聞に掲載された東京や横浜からの海水浴客に向けた乗り放題切符で横須賀、逗子、鎌倉、藤沢、茅ケ崎、平塚、大磯、二宮、国府津を湘南と称した戦略だという。「不如帰」の徳冨蘆花が1900年に出版した逗子での生活を綴った「湘南雑筆」がヒットし、湘南が憧れのイメージを広げるきっかけになったという。昭和30年代には太陽族がブームとなり、店名に湘南ブランドを冠する店は少なくない。神奈川県の電話帳全36冊を調べた結果、神奈川県33の自治体のうち28の自治体で、湘南を冠した企業や施設を2000社以上発見した。取材班は湘南の定義を明言する神奈川県のあるプロジェクトを発見した。