肺の組織を溶かした液体からマイクロプラスチックが見つかった。マイクロプラスチックとは、プラスチック製品が劣化し細かく砕けたもので、分解されにくく海などに残留している。永淵教授は高山や南極・北極などでもマイクロプラスチックを検出。日常にもマイクロプラスチックは潜んでいるという。福岡工業大学に設置された観測機器からは、1立方メートルあたり約10個のマイクロプラスチックが検出された。大人は1日に15~20立方メートルの空気を吸い込むので「呼吸で150~200個は毎日吸っている」と永淵教授は話す。永淵教授がこれまで肺の組織で発見してきたマイクロプラスチックは、食品ケースなどで使用されるポリスチレン、ストローなどに使用されるポリプロピレン、消しゴムなどに使用されるポリ塩化ビニルなど。ここ数年、血管や心臓など人体からマイクロプラスチックを検出したという論文が海外で発表されている。長崎大学病院ではマイクロプラスチックが人体に与える影響を調べている。解析の対象は気管支肺胞洗浄液。肺の病気を診断するために生理食塩水を気管支から注入し回収したものだ。解析の結果、解析したすべて検体からマイクロプラスチックが検出されたという。そして長崎大学病院ではマイクロプラスチックを吸入することによる全身の炎症との関連を示唆する日本初の研究結果を発表。ただまだ解析数が少なく、現時点では病気との関連は不明だという。
住所: 長崎県長崎市坂本1-7-1
URL: http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/
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