阪神タイガースの近本光司に密着。阪神の38年ぶりの優勝に貢献した立役者でバッティングでは得点圏打率はリーグトップ。日本シリーズでも5割に迫る驚異的な打率でMVPに。去年9月の阪神の優勝から二週間後、近本はDeNAとのナイトゲームで朝からトレーニングジムへ。メインメニューをこなしているが朝からトレーニングをしている理由は筋肉痛があるので試合までにはそれを克服していたいためだという。正午過ぎにはホテルのエレベーターホールで90分かけて関節の歪みをなおし、固くなった筋肉をほぐした。分刻みで組まれたルーティンにはすべて意味があるという。
午後三時半には室内練習場にやってきてバッティングを行うが一球ごとに確認している様子。なぜこうなったか?と確認しているという。6時にはプレイボール。どんな球種もヒットにし3安打の猛打賞に。バッテングの秘訣に近本は地球に対しすっと立つと答えたが、さらに足をあげた時にはトップは深くし右の股関節をあげているかどうか、足をつける時には膝を曲げたままにしているという。考えるべきポイントは8つ。一瞬のスイングの中でも考えているという。ボールのコースを確認し、次に変化を見極め、バットの軌道をあわせる。さらに重要なアイテムにはタブレットとスマホ。プロ入りの第一打席から全て記録しメモにまとめている。これを次の対戦にいかすという。さらに対戦相手投手のデータも入っていて前回ヤクルトのピッチャー吉村は足を振り子のように動かす独特のフォームで、近本はタイミングを合わすことができなかったが構えが遅れトップの位置が浅くなっていたという。
翌日の試合では近本はフォームを修正して臨んだ。あらかじめトップを深くして待ち構え痛烈な打球を弾き返し吉村を攻略した。近本のプライベートではせっかちに横断歩道を渡り、行きつけの定食屋でロースカツ定食のみを頼むが野球以外のこと以外に考えを割きたくないという。近本は兵庫県淡路島出身で、男三兄弟の末っ子として生まれた。子どもの頃の口ぐせは「どっちでもいい」で中学を卒業すると淡路島を離れ兄たちとは違う高校へ。大学の野球部にはピッチャーとして入部。しかし肩と肘を痛め2年生の冬に野手へ転向した。その時相談したのはキャッチャーだった植松弘樹。野球理論を熱心に研究していたという。近本のバッティングフォームに植松は手首の使い方に人にはない特徴があると感じ、一風変わったトレーニングを提案。ひたすら親指を橈骨のほうに曲げて筋肉を収縮させてバットにボールをあてる練習を300球ほどやっていたという。通常の打撃練習はほとんどせず手首をかえす動きをしていた。トレーニングを初めて二週間後には、試合で初めてホームランを打った。
3年生の春には大学リーグでベスト9に選ばれるほど急成長。近本は自ら考えて野球をする楽しさを知った。シーズン中に大切にしている時間があるが試合後の夜11時にはオンラインミーティングがスタート。植松とスポーツトレーナーの木村と一緒に試合をふりかえる。その中で話題になったのは、バットをとめて見逃した場面。近本はこの時の心境について普段通りのスイングをするとフライになると判断し、バットをとめた。次のボールからバットの出し方を変えたという。
10月には日本一をかけた戦いの相手はオリックス。絶対的エースの山本由伸と相対することに。6月の交流戦では近本は4打数ノーヒット2三振と完全に抑え込まれた。山本の持ち味は最速159キロのストレートとフォークボール。それが同じフォーム、同じ軌道なために見極めて打つことが難しいという。山本のように剛速球と鋭い変化球を持つ投手をどうしたら攻略できるか?近本はシーズン中から模索していた。8月にはその手応えを掴んだ打席があった。巨人の田中千晴の150キロのストレートを完璧に捉えた。この時試みたのは考え抜いて打つバッティングとは真逆のもので、近本はピッチャーがリリースする直前に考えることをやめて打ったという。認知を超えるとはどういうことか?シーズン終了後の11月に東京大学で実験が行われることに。訪ねたのは東京大学の研究室。中澤公孝教授が近本のバッティングをしている様子の脳の動きを調べる。
VRゴーグルを装着した近本はそこにうつる投手の球を打ち返すというゲームを行い、コースや球種もバラバラ。計測の結果、脳の意思決定を行う脳の部位に特徴が現れ、その数値ではスイングを途中で止めた時のものではバットを止めるという意思決定が行われたために濃い赤で示された。一方でスイングをしたときは赤い部分が少なく目立った活動は見られない。中澤氏は無意識の可能性が高いと答えた。通常、目から入った情報は、視覚野にに送られ前頭前野で打つという意思決定を行い、運動野が指令を出す。無意識の場合では意思決定を行う前頭前野を介さずに運動野に伝えられる。近本の無意識下での体の反応速度を特殊な機械で測ってみると。通常人はみたものを認知し体が反応するまでに0.3秒かかる。しかし無意識下での近本は0.13秒で体を反応させていたがこの体の差はバッティングにどの程度影響するか?山本由伸の球はインパクトの0.2秒前付近で変化するが、その時点で意識してバット軌道を修正しても0.3秒かかる。一方で、近本が0.13秒で反応した場合修正が間に合いミートできる可能性があるという。
日本シリーズ直前に近本は山本攻略のために練習を行っていた。至近距離から速いボールを打ち、バットをふる直前に考えることを辞めて反応にまかせる。そして日本シリーズ第1戦ではマウンドには山本由伸があがった。近本は初打席で球筋を見定め、3球目にして認知を超えるバッティングを行ったがフォークを打ち損じた。2打席目の対決では、カットボールに反応し、難しい球にバットをあわせることに成功した。そして試合の行方を左右するという場面で近本が打席へ。山本由伸相手にストレートをヒットにした。大事な初戦でチームは大きな1勝をあげた。その後の日本シリーズでは、考え抜いて打つバッティングと認知を越えるバッティングの武器で打率5割に迫るバッティングをみせた。1月に近本は新たなシーズンい向けスイングをつくり上げていく。究極のバッティングを成功し挑戦を続ける。その力の源はどこにあるのか?近本はわからないことが面白いと答え、今やっていることが過去とつながることが楽しいと答えた。
午後三時半には室内練習場にやってきてバッティングを行うが一球ごとに確認している様子。なぜこうなったか?と確認しているという。6時にはプレイボール。どんな球種もヒットにし3安打の猛打賞に。バッテングの秘訣に近本は地球に対しすっと立つと答えたが、さらに足をあげた時にはトップは深くし右の股関節をあげているかどうか、足をつける時には膝を曲げたままにしているという。考えるべきポイントは8つ。一瞬のスイングの中でも考えているという。ボールのコースを確認し、次に変化を見極め、バットの軌道をあわせる。さらに重要なアイテムにはタブレットとスマホ。プロ入りの第一打席から全て記録しメモにまとめている。これを次の対戦にいかすという。さらに対戦相手投手のデータも入っていて前回ヤクルトのピッチャー吉村は足を振り子のように動かす独特のフォームで、近本はタイミングを合わすことができなかったが構えが遅れトップの位置が浅くなっていたという。
翌日の試合では近本はフォームを修正して臨んだ。あらかじめトップを深くして待ち構え痛烈な打球を弾き返し吉村を攻略した。近本のプライベートではせっかちに横断歩道を渡り、行きつけの定食屋でロースカツ定食のみを頼むが野球以外のこと以外に考えを割きたくないという。近本は兵庫県淡路島出身で、男三兄弟の末っ子として生まれた。子どもの頃の口ぐせは「どっちでもいい」で中学を卒業すると淡路島を離れ兄たちとは違う高校へ。大学の野球部にはピッチャーとして入部。しかし肩と肘を痛め2年生の冬に野手へ転向した。その時相談したのはキャッチャーだった植松弘樹。野球理論を熱心に研究していたという。近本のバッティングフォームに植松は手首の使い方に人にはない特徴があると感じ、一風変わったトレーニングを提案。ひたすら親指を橈骨のほうに曲げて筋肉を収縮させてバットにボールをあてる練習を300球ほどやっていたという。通常の打撃練習はほとんどせず手首をかえす動きをしていた。トレーニングを初めて二週間後には、試合で初めてホームランを打った。
3年生の春には大学リーグでベスト9に選ばれるほど急成長。近本は自ら考えて野球をする楽しさを知った。シーズン中に大切にしている時間があるが試合後の夜11時にはオンラインミーティングがスタート。植松とスポーツトレーナーの木村と一緒に試合をふりかえる。その中で話題になったのは、バットをとめて見逃した場面。近本はこの時の心境について普段通りのスイングをするとフライになると判断し、バットをとめた。次のボールからバットの出し方を変えたという。
10月には日本一をかけた戦いの相手はオリックス。絶対的エースの山本由伸と相対することに。6月の交流戦では近本は4打数ノーヒット2三振と完全に抑え込まれた。山本の持ち味は最速159キロのストレートとフォークボール。それが同じフォーム、同じ軌道なために見極めて打つことが難しいという。山本のように剛速球と鋭い変化球を持つ投手をどうしたら攻略できるか?近本はシーズン中から模索していた。8月にはその手応えを掴んだ打席があった。巨人の田中千晴の150キロのストレートを完璧に捉えた。この時試みたのは考え抜いて打つバッティングとは真逆のもので、近本はピッチャーがリリースする直前に考えることをやめて打ったという。認知を超えるとはどういうことか?シーズン終了後の11月に東京大学で実験が行われることに。訪ねたのは東京大学の研究室。中澤公孝教授が近本のバッティングをしている様子の脳の動きを調べる。
VRゴーグルを装着した近本はそこにうつる投手の球を打ち返すというゲームを行い、コースや球種もバラバラ。計測の結果、脳の意思決定を行う脳の部位に特徴が現れ、その数値ではスイングを途中で止めた時のものではバットを止めるという意思決定が行われたために濃い赤で示された。一方でスイングをしたときは赤い部分が少なく目立った活動は見られない。中澤氏は無意識の可能性が高いと答えた。通常、目から入った情報は、視覚野にに送られ前頭前野で打つという意思決定を行い、運動野が指令を出す。無意識の場合では意思決定を行う前頭前野を介さずに運動野に伝えられる。近本の無意識下での体の反応速度を特殊な機械で測ってみると。通常人はみたものを認知し体が反応するまでに0.3秒かかる。しかし無意識下での近本は0.13秒で体を反応させていたがこの体の差はバッティングにどの程度影響するか?山本由伸の球はインパクトの0.2秒前付近で変化するが、その時点で意識してバット軌道を修正しても0.3秒かかる。一方で、近本が0.13秒で反応した場合修正が間に合いミートできる可能性があるという。
日本シリーズ直前に近本は山本攻略のために練習を行っていた。至近距離から速いボールを打ち、バットをふる直前に考えることを辞めて反応にまかせる。そして日本シリーズ第1戦ではマウンドには山本由伸があがった。近本は初打席で球筋を見定め、3球目にして認知を超えるバッティングを行ったがフォークを打ち損じた。2打席目の対決では、カットボールに反応し、難しい球にバットをあわせることに成功した。そして試合の行方を左右するという場面で近本が打席へ。山本由伸相手にストレートをヒットにした。大事な初戦でチームは大きな1勝をあげた。その後の日本シリーズでは、考え抜いて打つバッティングと認知を越えるバッティングの武器で打率5割に迫るバッティングをみせた。1月に近本は新たなシーズンい向けスイングをつくり上げていく。究極のバッティングを成功し挑戦を続ける。その力の源はどこにあるのか?近本はわからないことが面白いと答え、今やっていることが過去とつながることが楽しいと答えた。