球場とともに歩んできた甲子園界わいはタイガースはもちろん、高校野球に関わる場所もたくさんある。球場近くにあるホテルは長年、高校野球の球児を受け入れている。かつて、球場の周辺には高校野球の大会期間中に球児が泊まる宿が何軒もあったが、今は2軒のみが営業を続けている。島田昭一さんがおよそ40年にわたり、守り続けているホテルは旅館から建て替えたが、球児たちが泊まる広い和室や大浴場はそのまま残していた。かつては球場の中に球児ための宿泊スペースがあったが、「落ち着かない」と島田さんの旅館が選ばれた後、全国から高校野球球児を受け入れ、昭和60年からは東京代表の宿舎となった。球児たちが滞在中に揃って集まる大広間はミーティングはもちろん、食事が球児たちの一番の楽しみだ。島田綾子さんが大会期間中に出したメニューを記録したノートを見せてくれた。メニューは各学校と相談して決めていて、栄養バランスを考慮し、生物をさけるなど、体調第一で考えている。球児たちを70年以上、支え続けてきたホテルだ。