野島断層は10秒ほどで50cm近く隆起したとされていて震災で発生した地震の凄まじさを物語っている。北淡震災記念公園では140mの断層を見ることができる。研究員・加藤さんは野島断層が発見された直後から専門家として調査に参加し約30年にわたり野島断層の保存に携わっている。阪神・淡路大震災の翌日、大きくズレた野島断層が見つかった。地震の脅威を伝える証として研究者たちが保存を提案。震災から3年後に見学施設が完成した。しかし断層の維持管理は想像もつかない苦労の連続だった。12月下旬、断層のメンテナンスが行われた。補修の必要な部分がないか確認し小さな変化も見逃さないよう隅々まで点検する。もろくなった断層の表面には樹脂をしみこませて固める含浸を実施。徹底したメンテナンスの結果、野島断層は今も地震直後の姿を留めている。しかし施設を訪れる人は年々少なくなっている。加藤さんはこれからも人々に地震の教訓を伝え続けられるよう野島断層を守り継ごうとしている。