沖縄県の航空自衛隊那覇基地で、ミサイル攻撃を受けた事態を想定して、隊員を緊急避難させる「退避壕」の建設が始まっていたことがわかった。沖縄の玄関口として、観光客など年間1900万人あまりが利用する那覇空港に隣接する航空自衛隊那覇基地。民間機と自衛隊機が同じ滑走路を使用している。昨年度は領空を侵犯する恐れのある航空機に対し、401回ものスクランブル発進を行った。ミサイルが滑走路などに着弾した際に飛び散る破片などから隊員を一時的に守る「退避壕」がすでに那覇基地の2か所に建設されていた。逃げ込んだ隊員が身をかがめたり、座ったりして耐えしのぐことが想定されていて、戦闘を継続する能力、「継戦能力」を維持することが目的。防衛省関係者によると、退避壕の建設は台湾有事による不測の事態を想定したものだが、ロシアによるウクライナの飛行場への攻撃も背景にあるという。2つの退避壕はまだ「テストケース」で、あわせて30人ほどしか入れないという。今後、作業を本格化させ、このほかおよそ10か所に退避壕を建設する方針。