パリ五輪の熱戦をどの様に伝えるのか、編集作業に追われる日刊スポーツの裏側。阿部兄妹の連覇を1面にするプランが早くも崩れる事態に。紙面担当記者に衝撃が走る。まさかの敗退をどう扱うのか話し合いあった。当初予定していた男子サッカーを1面に、2面は阿部詩の2回戦敗退で進んでいくことに。阿部一二三が阿部詩の雪辱を果たせば、1面を差し替える方向で進む様だ。フロア内を見渡すと、井上が若い女性が少ない事に気づく。レイアウトに対して、本間は先輩の西村とも戦うという。
スポーツ紙のウラ側2はレイアウトが命。多くの人に読んでもらうには、思わず手に取りたくなる様なレイアウトが大事。勝者の後ろには敗者が、よりドラマチックな瞬間を切り取った写真を選んでいく。簡単な下書きをして端末に打ち込んでいく。ひるおび！作成の号外を見た西村さんは「バットと腕が隠れている。30点だ。」等とコメントした。
スポーツ紙の裏側3は締め切りは3つある。締め切り時間は1つではない。まずはリミットの早い地域に向けて早版を作成し、さらに今回のパリオリンピックは試合が深夜に集中した為、最新情報を届ける特別版も作成していく。見出しを考えたり、文字や写真、原稿とのバランスを見ながらレイアウト。締め切りに間に合わなければ印刷出来ず、各家庭や販売店に届けることが出来ない。空白が多かった1面もきれいにレイアウトされ、形になっていく。これから続々と入っていくる最新情報をどう扱うのか、締め切りギリギリまで紙面の並びをチェックする。1面はサッカーのまま、2面は柔道・阿部詩の2回戦敗退で早版は完成。1つ目の締め切りを終えても第2の締め切りが迫るため、作業は続く。続いて2つ目の早版も完成。比較すると1面の内容は変わらないが、選手の写真が大きくなり、レイアウトも変化している。更に2面の阿部詩の記事は3面に移動し、より大きな扱いになっている。一方、妹の雪辱を果たしたい阿部一二三は順当に勝ち進み、残すは連覇のかかった決勝戦のみ。第3の締め切りでは阿部一二三の試合結果以外大きな変更はない。モニターには既に想定の見出しがかかれる中、スケートボードで日本勢が表彰台を独占する可能性が出てきた。本間さんは6時間前からスケボーが気になっていた。
深夜0時50分過ぎ。試合の行方を固唾をのんで見守る。阿部一二三が連覇を果たした。勝利の余韻に浸るのもつかの間、すぐさま作業に取り掛かる。モニターには詩と一二三の文字が並ぶ。パリに派遣された記者とカメラマンからは、選手の膨大な数の写真や原稿が送られてくる。写真が決定した。レイアウト作成を1時間以内に終えないと締め切りに間に合わない状況。一方、スケートボードの方にも動きが。本間イチオシのスケートボードで日本勢が金銀のワンツーフィニッシュ。初めて担当する五輪中の1面、時間との戦いに焦りが。パリの試合会場からは追加の写真が。西村さんの指導にも熱が入る。試合後に語った妹への思いも綴られていた。印刷所にデータが送られ何とか間に合った。最終盤の1面は阿部一二三の連覇。兄妹のドラマを最優先し、スケボーの快挙は1面の1行と2面で報じた。西村さんは「できるだけ名前を近くに置くよう気をつけた。」等とコメントした。また、本間さんは「金メダルの紙面を作れて良かった。」等とコメントした。