今年は確認ができているだけで12人の犠牲者が出ていることから、イギリス政府は先日、「日本の一部地域でクマの目撃情報や襲撃事件が増加している」と注意を呼びかけた。国家的災害とも言われるクマを取り巻く現状を重く見た政府は、これまで事務方での対応だったが、きのうから閣僚級に格上げされた。事態は自衛隊派遣まで進行し、小泉進次郎防衛大臣は秋田駐屯地において秋田県庁や猟友会と共に箱罠の運搬等に関する訓練を実施したと明かした。初めての関係閣僚会議の議題の中心は個体管理と覚知の強化、侵入防止策の支援。文科省は学校における安全対策、農水省は農作物や人の保護、国交省は河川からの侵入阻止などを担当する。取りまとめる環境省は緊急銃猟の円滑な運用とガバメントハンターの確保・育成を強調した。ガバメントハンターとは自治体職員など公務員ハンターのこと。狩猟免許取得者数は減っておらず、20代の取得者は増えているが、猟友会の会員数は四半世紀で半数近くに激減し、いつでも実働できるハンターの数は足りてないのが実情。木原官房長官は「警察においてはクマに関する知識を習得し、訓練をした警察官の確保、装備・資機材の整備なども含め、ライフル銃を使用したクマの駆除を早急に対応していく」と述べた。
