おととし10月、清水和子さんと佐藤せつ子さんが赤川さんのもとを訪ねた。赤川さんは2人を慈恩寺に案内。ここでは檀家が震災や先祖などを供養するお地蔵さんを立てている。震災の際は慈恩寺も床下まで水に浸かった。震災から4ヶ月間最大で80人の地域住民がここで避難生活を送った。赤川さんは毎年1年の間に漂流ポストへ届いた手紙を慈恩寺で供養している。手紙の供養を終えた3人は赤川さんのセカンドハウスで胸の内を語り合った。清水さんと佐藤さんの思いを聞き、改めて漂流ポストの役割に思いを馳せる赤川さん。母の介護と天秤にかけポストをなくすという選択肢はそう簡単には取れなかった。去年1月、赤川さんは漂流ポストを慈恩寺へ移動することを決断。住職も快くOKしてくれた。去年3月、漂流ポストは慈恩寺へ移転。この約8ヶ月後、赤川さんの母・末子さんは息を引き取った。