東京株式市場では先週末、堅調だとみられてきた米国の景気を巡って減速懸念が急速に強まり、円高ドル安も重なったことから、日経平均株価は2200円余り値下がりし、世界的に株価が暴落した1987年のブラックマンデーの翌日に次ぐ、史上2番目の記録的な下落となった。その後、米国では雇用統計が発表されたが、就業者数の伸びが市場の予想を大きく下回ったことなどから、2日のニューヨーク市場ではダウ平均株価は一時900ドルを超える大幅な値下がりとなった。これについてニューヨークのエコノミスト、ハイフリークエンシーエコノミクス・チーフエコノミスト・カールワインバーグ氏は「米国国内では次々と弱い経済指標の発表が相次いでいる。そこにFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長が経済成長に懸念を持ち始めていると警告し、さまざまな要素が重なって、もうこれ以上よくなることはないかもしれないという反応が起きた」とした上で、「投資家は景気後退の可能性を心配し、それが企業の利益や株価に悪影響を及ぼすことを恐れている」と述べた。米国経済の先行きに一段と警戒感が高まる中、このあと午前9時から東京株式市場で週明けの取り引きが始まる。市場関係者の中には「東京市場の株価下落は急ピッチで反発の可能性もある」という見方がある一方、「米国の景気に対する不安感は非常に強く、株価が不安定な値動きとなる」といった指摘も出ている。今週以降も米国では重要な経済指標の発表が相次ぐ。東京市場の株価の下落傾向に歯止めがかかるのかが焦点となる。