米国労働省が4日発表した先月の雇用統計によると、農業分野以外の就業者の伸びは前の月と比べて25万4000人で、15万人程度の増加を見込んでいた市場予想を大きく上回った。また失業率は改善し、前の月から0.1ポイント低下して、4.1%だった。失業率は2か月連続で改善している。労働者の平均時給は前の年の同じ月と比べて4.0%、前の月と比べると0.4%それぞれ上昇し、いずれも市場予想を上回った。米国の労働市場はこの数か月減速傾向が見られていたが、今回の統計では堅調さが示された形。FRBのパウエル議長は先月30日の講演で、今後の利下げの方針について“急ぐ必要はなく、今後のデータ次第だ。景気の減速が予想より緩やかであればゆっくり利下げできる”と述べている。今回の堅調な雇用統計を受けて市場では“FRBが利下げを急がないのではないか”との見方が広がっている。4日のニューヨーク外国為替市場では円売りドル買いが加速し、円相場は一時、1ドル149円台まで値下がりした。