2024年10月5日放送 6:30 - 7:00 NHK総合

NHKニュース おはよう日本

出演者
南利幸 井上二郎 赤木野々花 
(ニュース)
就業者予想大きく上回る FRB”利下げ急がず”

米国労働省が4日発表した先月の雇用統計によると、農業分野以外の就業者の伸びは前の月と比べて25万4000人で、15万人程度の増加を見込んでいた市場予想を大きく上回った。また失業率は改善し、前の月から0.1ポイント低下して、4.1%だった。失業率は2か月連続で改善している。労働者の平均時給は前の年の同じ月と比べて4.0%、前の月と比べると0.4%それぞれ上昇し、いずれも市場予想を上回った。米国の労働市場はこの数か月減速傾向が見られていたが、今回の統計では堅調さが示された形。FRBのパウエル議長は先月30日の講演で、今後の利下げの方針について“急ぐ必要はなく、今後のデータ次第だ。景気の減速が予想より緩やかであればゆっくり利下げできる”と述べている。今回の堅調な雇用統計を受けて市場では“FRBが利下げを急がないのではないか”との見方が広がっている。4日のニューヨーク外国為替市場では円売りドル買いが加速し、円相場は一時、1ドル149円台まで値下がりした。

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ジェローム・パウエルニューヨーク外国為替市場労働省連邦準備制度理事会雇用統計
おはWORLD
1日 英 化石燃料脱却へ 石炭火力発電所 停止

英国で唯一稼働していた石炭火力発電所が運転を停止し、1日、記念の式典が開かれた。G7主要7か国では初めてとのこと。今回すべての石炭火力を廃止した英国は、もともと1990年代以降、比較的環境負荷の小さいガス火力、再生可能エネルギーによる発電の導入を積極的に進めてきた経緯がある。いわば先進国の中でもフロントランナーと言える。ただ世界を見渡すと依然として石炭火力の依存割合が高い国が多いというのが現実。2022年の時点で総発電量に占める石炭火力の割合は70%や60%と、新興国を中心に高い割合となっている。日本は石炭火力の割合は30.8%。廃止時期も定めていない。来月には旧ソビエトのアゼルバイジャンで気候変動対策の国連の会議「COP29」が開かれる。世界の平均気温の上昇を抑えるためには、温室効果ガスの削減のさらなる強化が必要で、世界各国の今後の政策が問われることになる。

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Group of Sevenアゼルバイジャン国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議
1日 メキシコ 初の女性大統領就任

1日、メキシコで初めての女性大統領が就任した。クラウディア・シェインバウム氏は科学者で、気候変動に関する研究に取り組んでいた。その後、政治の道に転じ今年6月に行われた大統領選挙で与党から立候補し、当選した。今後、直面する課題は治安の回復。メキシコでは麻薬組織による殺人や誘拐などの暴力事件というのが後を絶たない。また、来月行われる隣国、米国の大統領選挙の結果次第では、移民や貿易などの政策がメキシコに大きな影響を及ぼす可能性もあり、シェインバウム氏の手腕が問われることになる。

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クラウディア・シェインバウム
1日 NASA ボイジャー2号 2030年代も観測継続へ

米国の探査機ボイジャー2号は今から47年前の1977年に打ち上げられた。天王星と海王星の写真を撮影したのが、ボイジャー2号。その後も探査を続けており、2018年には太陽系の外にまで達した。太陽系の外がどうなっているのか、未知の宇宙空間についてのデータを、今も送り続けている。今回、搭載されている観測機器の一部の電源を切って、消費電力を抑えたとNASAが発表した。これによって、2030年代も観測を続けられるようにしたいとしている。

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アメリカ航空宇宙局アメリカ航空宇宙局 公式ホームページボイジャー2号
Today’s PICK UP

米国の大統領選挙まで残り1か月。全米を対象にした各種世論調査の平均では今月3日の時点で、ハリス副大統領を支持するとした人は49.1%、トランプ前大統領を支持するとした人は46.9%となっている。選挙結果を左右すると言われているのが7つある激戦州。中でも特に激しい選挙戦が繰り広げられているのがミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアの3つの州。いずれも製造業が衰退した地域、ラストベルトといわれている。このうち注目したのは米国の自動車産業の中心地、ミシガン州。前々回は共和党のトランプ氏が、前回は民主党のバイデン氏が勝利した。今回、ミシガン州で勝敗の行方に左右しそうなのがEV(電気自動車事業)を巡るある計画だといわれている。

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ウィスコンシン州(アメリカ)カマラ・ハリスドナルド・ジョン・トランプペンシルベニア州(アメリカ)ミシガン州(アメリカ)共和党民主党

ミシガン州中部の小さな町で、中国企業が23億ドル以上を投じ、EVに不可欠なバッテリーの部品工場を建設する計画が明らかになった。260エーカー、東京ドーム22個分の広大な敷地に工場を建て、2300人以上の雇用を生む一大プロジェクト。各地で進むEV関連の建設計画。後押ししているのは、民主党のバイデン政権の政策。EVの普及を積極的に推し進め、おととしにはEVの購入者に最大100万円程度の税額を控除するなど日本円で約60兆円を投じる法律を成立させた。新たな計画には地元から歓迎する声が上がっている。製造業の衰退が続くラストベルトと呼ばれるこの地域。特に自動車産業は1980年代以降低迷し、町は空き店舗が目立ち長らく苦境に立たされてきた。中心部で40年余りにわたって、土産物店を営むカーリーン・ローズさん。以前は共和党のトランプ氏に投票したが、今回は民主党のハリス候補に投票することに決めている。この計画が地元経済に大きな効果をもたらすと考えたから。一方、この計画に反対の声を上げているのが共和党のトランプ陣営。副大統領候補のバンス氏は、EVの原料や部品の生産は中国が圧倒的に強く、米国政府によるEVへの支援策は中国を利することになると主張。さらに、民主党の地元の州知事がこの建設計画に7億ドル以上の支援を決めたことも問題視している。建設計画に反対する1人、ローリ・ブラックさん。8月末、バンス氏にみずからの農場を集会場として提供した。現政権がEV政策を推し進めてきた一方で、米国ではEVの販売が減速。走行距離や充電設備などへの不安が要因で、ブラックさんは建設計画自体にも問題があると感じている。反対の声は自動車産業の労働者たちからも上がっている。ミシガン州は米国の自動車産業の中心地で、多くの工場や関連企業が集まっている。しかしエンジンも不要なEVは部品や製造工程が少ないため、既存の自動車メーカーの雇用が失われるという懸念が根強くある。大統領選挙の行方を左右する激戦州ミシガン。投票まで1か月となり目が離せない戦いが続く。

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全国初 東京都でカスハラ防止条例

客からの迷惑行為などのカスタマーハラスメントを防ぐ全国で初めての条例が東京都で成立した。この条例はカスハラを「客から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為で就業環境を害するもの」と定義したうえで、「何人もカスハラを行ってはならない」などと規定している。条例に罰則はなく来年4月1日から施行される。

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地域医療支える”やぶ医者”

今年、山口市徳地診療所の中嶋裕医師が”やぶ医者大賞”に選ばれた。現在は下手な医者を意味する“やぶ医者”は、元々は兵庫・養父市にいた“養父の名医”を意味し、市が地域医療に貢献する医師に賞を贈っている。中嶋さんが勤務するのは人口5000人ほどの山口市徳地地域。年々高齢化が進み、地域の約6割が65歳以上の高齢者。3年ほど前、地域に残っていた民間の医院も医師の高齢化で閉院した。地域の医療を維持しようと、市が開設したのが徳地診療所。中嶋さんはここでの勤務を志願したという。常勤の医師は中嶋さんただ1人で、総合診療医としてかぜやけがの治療など幅広い分野で医療を提供している。かつては大きな病院にも勤務した中嶋さんは、医療の担い手が少ない地域からの患者の多くが適切な医療を受けられていない現実に気付いた。その後、萩市の見島や下関市の角島など離島で経験を積み、高齢者など地域の人たちの日常的なケアが大切だと気付いた。中嶋さんが心がけているのは、日常的な診療を受けてもらうためにできるだけ高齢者などのニーズに応じること。面積が広い徳地地域で診療所に来ることが困難な人たちのため、自らが出向いているという。多くの人が集まれるよう診療は集会所で行う。移動手段がない人や運転が不安な人たちのために、月に2回ほど診療の合間を縫って巡回している。さらに外出が困難な人には個別に自宅を訪問して診療を行っている。

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