英国で唯一稼働していた石炭火力発電所が運転を停止し、1日、記念の式典が開かれた。G7主要7か国では初めてとのこと。今回すべての石炭火力を廃止した英国は、もともと1990年代以降、比較的環境負荷の小さいガス火力、再生可能エネルギーによる発電の導入を積極的に進めてきた経緯がある。いわば先進国の中でもフロントランナーと言える。ただ世界を見渡すと依然として石炭火力の依存割合が高い国が多いというのが現実。2022年の時点で総発電量に占める石炭火力の割合は70%や60%と、新興国を中心に高い割合となっている。日本は石炭火力の割合は30.8%。廃止時期も定めていない。来月には旧ソビエトのアゼルバイジャンで気候変動対策の国連の会議「COP29」が開かれる。世界の平均気温の上昇を抑えるためには、温室効果ガスの削減のさらなる強化が必要で、世界各国の今後の政策が問われることになる。