米国の大統領選挙まで残り1か月。全米を対象にした各種世論調査の平均では今月3日の時点で、ハリス副大統領を支持するとした人は49.1%、トランプ前大統領を支持するとした人は46.9%となっている。選挙結果を左右すると言われているのが7つある激戦州。中でも特に激しい選挙戦が繰り広げられているのがミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアの3つの州。いずれも製造業が衰退した地域、ラストベルトといわれている。このうち注目したのは米国の自動車産業の中心地、ミシガン州。前々回は共和党のトランプ氏が、前回は民主党のバイデン氏が勝利した。今回、ミシガン州で勝敗の行方に左右しそうなのがEV(電気自動車事業)を巡るある計画だといわれている。
ミシガン州中部の小さな町で、中国企業が23億ドル以上を投じ、EVに不可欠なバッテリーの部品工場を建設する計画が明らかになった。260エーカー、東京ドーム22個分の広大な敷地に工場を建て、2300人以上の雇用を生む一大プロジェクト。各地で進むEV関連の建設計画。後押ししているのは、民主党のバイデン政権の政策。EVの普及を積極的に推し進め、おととしにはEVの購入者に最大100万円程度の税額を控除するなど日本円で約60兆円を投じる法律を成立させた。新たな計画には地元から歓迎する声が上がっている。製造業の衰退が続くラストベルトと呼ばれるこの地域。特に自動車産業は1980年代以降低迷し、町は空き店舗が目立ち長らく苦境に立たされてきた。中心部で40年余りにわたって、土産物店を営むカーリーン・ローズさん。以前は共和党のトランプ氏に投票したが、今回は民主党のハリス候補に投票することに決めている。この計画が地元経済に大きな効果をもたらすと考えたから。一方、この計画に反対の声を上げているのが共和党のトランプ陣営。副大統領候補のバンス氏は、EVの原料や部品の生産は中国が圧倒的に強く、米国政府によるEVへの支援策は中国を利することになると主張。さらに、民主党の地元の州知事がこの建設計画に7億ドル以上の支援を決めたことも問題視している。建設計画に反対する1人、ローリ・ブラックさん。8月末、バンス氏にみずからの農場を集会場として提供した。現政権がEV政策を推し進めてきた一方で、米国ではEVの販売が減速。走行距離や充電設備などへの不安が要因で、ブラックさんは建設計画自体にも問題があると感じている。反対の声は自動車産業の労働者たちからも上がっている。ミシガン州は米国の自動車産業の中心地で、多くの工場や関連企業が集まっている。しかしエンジンも不要なEVは部品や製造工程が少ないため、既存の自動車メーカーの雇用が失われるという懸念が根強くある。大統領選挙の行方を左右する激戦州ミシガン。投票まで1か月となり目が離せない戦いが続く。
ミシガン州中部の小さな町で、中国企業が23億ドル以上を投じ、EVに不可欠なバッテリーの部品工場を建設する計画が明らかになった。260エーカー、東京ドーム22個分の広大な敷地に工場を建て、2300人以上の雇用を生む一大プロジェクト。各地で進むEV関連の建設計画。後押ししているのは、民主党のバイデン政権の政策。EVの普及を積極的に推し進め、おととしにはEVの購入者に最大100万円程度の税額を控除するなど日本円で約60兆円を投じる法律を成立させた。新たな計画には地元から歓迎する声が上がっている。製造業の衰退が続くラストベルトと呼ばれるこの地域。特に自動車産業は1980年代以降低迷し、町は空き店舗が目立ち長らく苦境に立たされてきた。中心部で40年余りにわたって、土産物店を営むカーリーン・ローズさん。以前は共和党のトランプ氏に投票したが、今回は民主党のハリス候補に投票することに決めている。この計画が地元経済に大きな効果をもたらすと考えたから。一方、この計画に反対の声を上げているのが共和党のトランプ陣営。副大統領候補のバンス氏は、EVの原料や部品の生産は中国が圧倒的に強く、米国政府によるEVへの支援策は中国を利することになると主張。さらに、民主党の地元の州知事がこの建設計画に7億ドル以上の支援を決めたことも問題視している。建設計画に反対する1人、ローリ・ブラックさん。8月末、バンス氏にみずからの農場を集会場として提供した。現政権がEV政策を推し進めてきた一方で、米国ではEVの販売が減速。走行距離や充電設備などへの不安が要因で、ブラックさんは建設計画自体にも問題があると感じている。反対の声は自動車産業の労働者たちからも上がっている。ミシガン州は米国の自動車産業の中心地で、多くの工場や関連企業が集まっている。しかしエンジンも不要なEVは部品や製造工程が少ないため、既存の自動車メーカーの雇用が失われるという懸念が根強くある。大統領選挙の行方を左右する激戦州ミシガン。投票まで1か月となり目が離せない戦いが続く。