黒部ダムは毎秒10トン以上の放水が可能で、高さ186mは日本一を誇る。周辺には、立山黒部アルペンルートの風物詩・雪の大谷や、黒部川沿いを走るトロッコ列車などがある。これまで一般客に開放されていなかった黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅と黒部ダムを結ぶルート「黒部宇奈月キャニオンルート」が公開された。このルートは全長約18kmでほとんどが地下。黒部ダムと黒部川第四発電所は1963年竣工で総工費は513億円。7年で延べ1000万人が関わった。今回公開されたルートは、富山側からの資材運搬に使用されたルートだという。トロッコで進むと竪坑エレベーターに到着、200mの高低差を上昇した後、蓄電池機関車で高熱隧道を通過する。掘削時は岩盤の温度は160℃を超えていて、現在も約40℃あるという。トンネル内では硫黄成分で送電線が腐食してしまうため、蓄電池機関車が使用されているのだという。高熱隧道を抜けると、仙人谷に到着する。標高859mの鉄橋からは仙人谷ダムが望め、黒部川第四発電所の発電機室も見学できる。巨大ケーブルカーのインクラインは、長さ815m、斜度34度を20分かけて上昇する。最後にバスに乗り込むと黒部ダムに到着する。このルートは来年6月30日から公開予定。