58年前の事件で無罪が確定した袴田巌さんがきのう、無罪確定後初めて公の場に姿を見せ、元プロボクサーの袴田さんにちなみ、ボクシングの試合のような演出で迎えられた。支援者たちに盛大な拍手で迎えられ壇上に上がった元プロボクサーの袴田巌さんは「長い闘いがございました」と挨拶した。58年前、静岡県で起きた一家4人殺害事件。先月、静岡地裁で行われた再審の判決で捜査機関による捏造が認定され、先週、無罪が確定した。その報告会がきのう、静岡市で開かれ、無罪確定後初めて公の場に姿を見せた袴田さんは、「私もやっと完全な無罪が実りまして、闘いに出てまいりました。念願です。どれだけやれるか、自分がどれだけできるか、やってみる必要がある」と述べた。報告会ではチャンピオンベルトを身につけてVサインした袴田さんは、多くの花束で祝福された。姉のひで子さんは「『無罪になって勝ったんだよ』と言ってるんですけど、まだ半信半疑でいるようなところがあるんです。この盛大なお祝いが巌には実感として湧くと思います」と挨拶した。姉・ひで子さんの挨拶が終わると、袴田さんは立ち上がり、“巌コール”を浴びた。