国民の力のハン代表はこれまでユン大統領の弾劾を求める議案に党として反対する方針を強調していたが、事実上みずからは賛成する立場を示唆したと報じられている。ハン代表は非常戒厳でユン大統領が主要な政治家の逮捕を指示したとも明らかにした。その中にはハン代表自身も含まれていたと伝えられている。ユン大統領と会談したハン代表は、非公開の党の議員総会で「私の判断が覆るほどの話はなかった」と述べたという。2016年には当時のパク・クネ大統領が、知人が関与する財団の設立への支援などを理由に国会で弾劾を求める議案が可決された。それを巡り大統領の支持者と機動隊が衝突して死者もでた。最終的にパク氏は罷免され、政権交代につながった。議案の可決には、与党側から少なくとも8人の賛成が必要となるが、与党側には弾劾に賛成する意向を示す議員もいる。また検察は大統領を内乱と職権乱用の疑いで捜査すると報じられた。非常戒厳を宣言した際、戒厳軍が中央選挙管理委員会の庁舎などに展開していたことが判明した。韓国メディアは理由について、野党が大勝した4月の総選挙を巡り非常戒厳の宣言を進言したとされる前国防相が不正疑惑を捜査するか判断するためと述べたと伝えていた。最新の世論調査でユン大統領の支持率は就任以来最も低い16%にまで落ち込んでいる。