老化細胞は分裂を繰り返したり、遺伝子の損傷が積み重なったりして増えなくなった細胞で、加齢に伴って蓄積し、体の衰えや糖尿病などの病気につながるとされている。順天堂大学・南野徹教授らのグループは“糖尿病の治療薬「SGLT2阻害薬」を使って老化細胞を取り除く動物実験に成功した”と今年5月に発表していて、人での効果を確かめる臨床研究を行うため、来週にも学内の倫理委員会に申請する方針を固めたことが分かった。計画では65歳以上の糖尿病などの患者50人をこの薬を投与するグループとしないグループに分け、安全性に加え、細胞の遺伝子の損傷の状況を調べて老化の程度に差が出るか確認するという。順調に進めば来年度中に最初の患者への投与を始めたいとしている。