千葉県南房総市の山あいにある大井地区には120世帯あまりが暮らしている。5年前の台風災害の際にが集落に続く道路が塞がり、停電や携帯電話も通じないといった影響が出た。自主防災組織かわせみでは当時行政からの支援が遅れた経験から、住民同士で話し合いながら災害対策を進め、停電に備えてソーラーパネルを避難先に設置して発電機も購入し、災害時にもできるだけ普段の生活ができるように洗濯機や冷蔵庫も備えている他、通信も途絶えた場合を想定し衛星通信の機器も導入した。一方で農村地帯で米や野菜は各家庭に豊富にあるため、食料の備蓄は多くしてない。千葉県内には地震や大雨による災害でどれほどの集落が孤立する恐れがあるのか30市町村の958集落を対象にした県による調査の結果、半数ほどに上る約500集落で孤立の恐れがあることが判明した。平成25年の国の調査では34集落ほどだったが急増する結果になった。調査対象の集落を増やしたことや、集落につながる道路の多くが土砂災害の危険性がある土砂災害警戒区域に指定されたことを理由として挙げている。館山市では、孤立の恐れのある集落が山間部だけでも36カ所、沿岸部でも13カ所ある。館山市ではこれまでも物資を海からも運び込めるように港周辺の整備を行い、水や食料・発電機といった備蓄も各地区で進めてきたが、大災害で各地の道路が寸断すると速やかな支援が難しくなるため、市は地域での自助共助を進めてほしいとしている。