沖縄の言葉「やちむん」とは、琉球王国時代から受け継がれている焼物。色、質感が特徴の焼物。やちむんを制作する窯元が少なくなる中、それぞれの思いで守っていく人たちを取材した。那覇市の繁華街から1本道を入ると、石畳の道「やちむん通り」が広がる。40以上の店が並び、やちむん散策を楽しめる。やちむんの体験を楽しめるカフェでは、沖縄の伝統茶「ぶくぶく茶」を味わえる。やちむんの茶碗に入れられたぶくぶく茶は、白米で作った泡の下に、玄米のお茶「ぶくぶく茶」が入っている。やちむんは絵付け、線彫りなどの飾りつけの技法が多く、肌触りにも特徴がある。琉球王国時代、各地の窯元を首里城近くの壺屋に集めたことで、やちむんの拠点となった。海外は日本本土との交流から様々な装飾の技法が伝わり、独自のやちむん文化が発展した現在、やちむん通りの窯元ではそれぞれに伝統の技法を守り続けている。取材した老舗窯元の池野幸雄さんは元々サラリーマンだったが、亡くなった義理の兄の跡を継いだ。陶器に鮮やかな赤を飾り付ける赤絵の技法が特徴。池野さんは義理の兄が残した赤絵の顔料、釉薬が書かれた手帳をもとに、窯元の歴史を引き継いでいこうとした。この道に進んでおよそ20年、ようやく周りが認めてくれるようになった。300年以上続く窯元の高江洲若菜さんは伝統を守るために、あえて新たな技法に取り組んでいる。20人ほどの職人が制作にあたり、高江洲さんはその経営を担っている。この窯元を代表する技法は、下絵なしで線を彫る線彫り。しかし今はこれだけではなく、表現の幅を広げる挑戦を続けている。若い世代にも手に取ってもらえるようなデザイン性を重視した多面カップを制作。3Dプリンターで作られた型は石膏でかたどられ、枠を作る。そこに土を流し込み20分程度待つと、一つずつ職人の技によって原型が完成。新しい技法は周りからの反対もあった。高江洲さんはそこにやちむんの可能性を見出そうとした。やちむんは伝統も、新しさもある。やちむん通りでは絵付け、ろくろ体験などやちむん作りを楽しめる工房もある。高江洲さんは客のターゲットを絞った店づくりを行っている。
住所: 沖縄県那覇市首里金城町1-2
URL: http://oki-park.jp/shurijo/
URL: http://oki-park.jp/shurijo/