裏金事件を受け自民党が進めてきた政治資金規正法の改正。連立を組む公明党も賛成するとみられていたが、木曜手のひらを返した。自民と公明で隔たりがあったのは、パーティー券の購入者を公開する金額の基準。自民党は10万円超、公明党は5万円超と表明してきたが、月曜、公明党が妥協し自民党案に賛成することで大筋合意していたという。それがなぜ態度を一変させたのか。蓮舫氏の出馬で危機感を抱いたからだという。都知事選で公明・自民ともに小池都知事を支援するとみられているが、蓮舫氏が勝った場合のことを考えた時に、自民党修正案に公明党が賛成すると自民党と一緒にみられてしまうのではないかという危機感。木曜日には完全に手のひらを返した。さらに公明党に対する批判も一因になったのではないかという。手のひら返しをされた自民党は慌てて法案を修正。パーティー券購入者の公開基準を公明党が主張する5万円超としたほか、これまで不要としてきた政策活動費の領収書についても10年後に公開することを盛り込んだことで、公明と維新が法案に賛成することを決めた。自民党は来週、衆議院を通過させたい考え。一方、立憲民主党などは企業・団体献金の禁止や、政策活動費の廃止または全面公開などを求めている。週明け国会は新たな局面を迎えることになる。