主人公は呉服屋で働く少女・幸。9歳の時、大飢饉の影響家族の元を離れ大阪天満の呉服屋「五鈴屋」に奉公に出された。幸の仕事は女衆と呼ばれる下働きで当時は男中心の社会で厳しい身分制度が敷かれていた。五鈴屋には先代の息子である3兄弟がいる。長男の徳兵衛は店の主だが、浪費してばかり。次男の惣次は店の稼ぎ頭で徳兵衛とは喧嘩が絶えない。そして本が大好きであきないには興味がない三男の智蔵。幸は父の教えで読み書きが出来る子であった。そんなある日、あきないに興味を持った幸は番頭の治兵衛に機会を与えられ女衆でありながら、あきないを学んでいった。あれから数年後、幸はすっかり1人前の女衆になり、長男の徳兵衛は大棚の娘を妻に迎える。漸く安泰かと思われた五鈴屋に危機が。運命に翻弄される幸はその知恵を武器に自らの人生を切り開いて行くことが出来るのであろうか。