高市新総理が重視する日韓関係。韓国では深刻な問題が起きていた。長蛇の列をなす高齢者のお目当ては無料食堂。週3日、70歳以上を対象に無料で食事を提供。背景には深刻化する高齢者の貧困がある。韓国の66歳以上の貧困率は40.4%と日本の倍以上で、OECD(経済開発協力機構)の中で最悪となっている。韓国で狭い部屋を表す「チョッパン」に約40年前から暮らす男性は「格子のない牢獄だ」と話す。貧困の原因の一つとされるのが「年金制度」。韓国で年金制度は1988年に導入され、受給率は約50%にとどまっている。日本が国民年金と厚生年金の2階建てなのに対し、韓国は国民年金のみ。最新の調査では年金受給者が受け取った金額は私的年金などを合わせても平均で月約7万4000円しかない。中高年を対象にした就活イベントには働かざるを得ない高齢者の参加が増え続けている。韓国内では高齢者の雇用機会を確保するため、高齢者の定義を現在の65歳から70歳に引き上げることも専門家の間で議論されている。
