中国の国営通信社・新華社通信によると中国南部・湖南省で21日に地質研究機関が、巨大な金の鉱脈が見つかったことを発表をした。埋蔵量が1000トン以上、資源価値は13兆円規模と言われている。地下2000mよりも深いところで見つかっている。中国の金鉱を視察したこともあり、金市場に詳しい国際金融アナリスト・豊島逸夫氏によると「これまでの中国の採掘は地下数百m規模のものが多かった。今回のような地下2000m以上の採掘を行う技術があるのかどうか疑問」だということ。金の価格への影響は。金を採掘することになると人を呼んで衣食住を、インフラを整えるため非常に時間がかかる。採掘ができたとしても生産できるに至るまでは最低でも5年はかかる。価格への影響は短期的にはないというのが豊島氏の見立て。中国は世界一の金産出国。今回の鉱脈でのこの採掘がもし実現すると通貨と資源、2つの側面で重要な価値になってくる。2019年の中国の外貨準備資産の内訳は、米国ドルが55%と過半数を占めている。中国政府はドルへの依存度を減らしたいという思惑があった。ドルを減らして金を大量に現在買っている傾向がある。去年の金の購入量から売却量を差し引いた総購入量は、去年は200トンを超えている。国際金融アナリスト・豊島逸夫氏によると「今回のこの鉱脈の発見によって金の産出量が増えると脱ドルの動きというのが更に加速するのではないか。米国のドルの信用が下がることになると米国にとっては脅威になる可能性がある」。スマートフォンの中にも入ってる半導体の接続材料として金が使われている。金は世界のハイテク産業で需要が高い希少資源の側面もある。中国が今以上に多くの金を産出し、世界の供給網というところを席巻すると、他国に対して今後経済的、政治的な交渉材料として利用してくる可能性があると豊島氏は話している。NEWS検定「日本で唯一の商業金山がある場所は?青・新潟県、赤・鹿児島、緑・長崎県」。