偵察機に登場していたという兵士の親族・梶原五昭さんは叔父の梶原龍三さんを紹介してくれた。鹿児島の離島であり漁業盛んな甑島の三男だったといい、父がケガをして働けなくなると食うや食わずの生活の中で家族の生活を少しでも楽にしようと海軍に志願したという。龍三さんは偵察機で6機の敵機を相手に抵抗を続け、搭乗員2人が死亡する中最後方から舵を取り不時着を成功させたという。龍三さんは凱旋したものの、鹿島村郷土誌では「戦意高揚と少国民の憧れの的となることであった」などの文言について、五昭さんは軍の戦意高揚に利用されてしまったのではないかと言及している。甑島もアメリカの空襲機による攻撃を受けるようになる中、戦意を持ち続けさせるため利用されたのではないかという。