きょうの株の見通しについて、T&Dアセットマネジメント・浪岡宏氏の予想レンジは3万8600円~3万9800円とし、昨日の東京市場では、引け後に公表された一部の設備投資関連株の決算は良好で、これらの銘柄は買われやすい。昨日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数上昇やハイテク大手決算も良好だったことから、東京市場でも半導体株を中心に堅調な展開を予想すると解説。浪岡氏の注目ポイントは、「アメリカの景気循環からの株価見通し」。最近では日米の選挙や日米の金融政策会合などイベント目白押しだが、イベントに左右されない景気循環に着目する。日本株や世界経済の動向に影響を及ぼす米国の景気循環に焦点をあてる。浪岡氏の注目は、景気循環の中でも米国鉱工業生産の在庫循環。在庫循環の周期は一般的には3~4年と言われてる。過去40年ほどの製造業の受注在庫バランスから導いた周期では約3年弱。特徴的なのは受注在庫バランスとISM製造業景気指数が似た動きをしてる。FRBは2022年3月から2023年7月にかけて5.25%利上げした。これが受注の鈍さに影響してる。足元ではFRBは利下げをしてるので落ち込みも緩やかなものになりそう。日経平均株価の前年比をとってみると、在庫循環と大まかではあるが、連動した格好になってる。受注在庫バランスの悪化が緩やかになるとすると、日本株エンドの影響も限られる。他にも10年サイクルの設備投資サイクルがあるが、2020年のコロナ禍でボトムをつけたと考えられるため、しばらくは大幅な落ち込みはなさそう。以上を踏まえると、米国の景気循環は悪化して日本株の重しとなる展開は今のところ予想しがたい。