記録的な物価高や貧困など課題が山積するアルゼンチンで大統領選が行われている。約2万2600円というタンゴショーの料金は国民の平均月収の2割を占め、海外の観光客を中心とした商売となっている。米ドルがホテルの料金に使われるなど存在感を示す一方で自国通貨のペソは大きく下落することで年率140%という記録的なインフレが発生している。ペソの信頼が低下する中で民泊を新たに始めた人の姿も見られ、1泊約40ドルであり、約13万5000円分を月に稼げているという。収入を得られる人がいる一方で、月に約3万円しか得られない貧困地域・ビジャに住む人は500万人を超えて今も増加を続けているといい、ペソしか得られない家庭は暮らしだけで精一杯だという。決戦に駒を進めたミレイ候補はアルゼンチンのトランプという異名を持ち法定通貨のドル化を掲げている。これに対するマサ候補は輸出の促進や労働環境の改善を政策として掲げている。長年経済危機から脱却できないアルゼンチンだが、決戦投票は明後日行われる。