裁判所は相続人の資格がある人は名乗り出て下さいと募集をかけた。6ヶ月後、広告期間は終わったが名乗り出るものは誰も居なかった。次に遺産がもらえる権利があるのは、特別縁故者。血筋に関係なく成形を同じくしていた人や療養看護につとめた人。故人と親密な関係が事実認定されると遺産の分与が認められることがある。不動産業者や親戚も特別縁故者に名乗り出た。さらにここで特別縁故者に名乗り出たのが葬儀で受付を務めた男性だった。この男性は大平家の2軒となりに住んでいた。この男性の祖母は大平さんの母と同級生で親しくしていた。大平さんの姉が亡くなったときもこの男性が受付を務めた。その後も、ゴミ出しや食事の差し入れをしていた。こうして3組、計6人が特別縁故者に名乗りをあげた。