スーパーフォーミュラ第8戦と最終戦の第9戦。今シーズンの集大成となる週末2レース開催。それは年間チャンピオンをかけた最後の戦い。今シーズン3勝でランキングトップ、7月には夫婦同時優勝で話題をさらった坪井翔。逆転を狙うのは参戦6シーズン目で涙の初優勝を飾った牧野任祐。そして、過去2度の王座を獲得している野尻智紀。この戦いで日本一速いドライバーが決まる。土曜日の第8戦、さっそく波乱が起きた。スタート順を決める朝の予選でランキング3位の野尻がまさかの14番手となり、いきなり厳しい状況に追い込まれる。午後の決勝レースもタイヤ脱輪など2度のトラブルが起こるなど、21台中6台がリタイアする波乱の展開になった。そんな中、野尻は14番手から猛追。じりじりと順位を上げていく。一方、牧野の後ろには坪井が迫っていた。10周目、牧野が先にピットインを決断。タイヤ交換を終えコースに戻ると、その次の周に坪井がピットへ入った。ここでメカニックたちが素早いピットワークを見せる。すると坪井は牧野の前でコースへ復帰。ピット戦略で逆転に成功する。レースを制したのはこれが今シーズン初勝利の太田格之進。坪井は2位、牧野は3位に入る。これで2位でフィニッシュした坪井がチャンピオン争いで大きくリードを広げる結果になった。14番手から5位まで順位を上げた野尻だったが、ここでチャンピオン争いから脱落することとなった。そして迎えた昨日の最終戦。チャンピオン争いは坪井と牧野の一騎打ちとなった。坪井が有利の状況でレースが始まる。逆転でも優勝するしかない牧野は僅かな逆転の可能性を信じて走る。しかし、坪井が土曜日に続いて再び2位でフィニッシュ。ライバルたちを抑えて自身初の栄冠に輝いた。