4月に開幕する大阪関西万博の会場のステージで、音楽で世界をつなごうと活動する学生たちがいる。駆使するのはデジタル技術。オンラインオーケトラを企画しているのは大阪大学の学生グループ「a−tune」。大阪関西万博で開く演奏会に向けて4年前から準備を進めている。きっかけはコロナ禍。当時広まったリモートの技術を活用し、人と人とのつながりを音楽で作りたいと活動を続けてきた。離れた人と一緒に音楽を奏でるリモートの演奏。大きな弊害となるのが音のズレ。データの伝達時間やネット環境の影響で通信に遅れが出る。解決の鍵となる電子楽器の紹介。ガイドの画面に従ってキーボードを叩けば誰でも気軽に音楽を奏でられる。ガイドの画面の操作で音のズレを解消するシステムを作った。例えば、ある曲を日本で18時から演奏するとする。他の地域の学生に連絡し、同じ時刻をシステムに登録してもらう。すると、それぞれの場所で演奏ガイドする画面が遅れを逆算してスタート。それに合わせて楽器を弾けば日本に18時に届き、合奏が成立するというもの。国や距離に関係なく一つの音楽を一緒に奏でることができる。万博を前に実際に海外とつないで演奏会を開いた。およそ30の国と地域の学生がオンラインや録画デモで参加。会場と海外の学生たちで奏でる一つの音楽。万博の本番まで挑戦は続く。