万国博覧会の会場図はただの案内図にあらず。会場図の歴史に注目すると世界のリアルな事情が見える。1900年のパリ万博は川を挟んで西洋諸国エリアと西洋の植民地とされた国々のエリアで分かれていた。冷戦の最中に開催された1967年のモントリオール万博では川の中にある2つの中洲が会場となったが、片方の中洲にはアメリカ館、もう片方にはソ連館が配置された。2005年の愛知万博時には国際紛争がより複雑化。事務総長として現場を統括していた中村さんは紛争中の国々の配置に頭を悩ませたという。今回の大阪・関西万博はランダムな国の配置がなされている。イデオロギーや宗教など、分断をもたらす線引きが排除されている。