悪天候により収穫が減ったためインド政府は去年7月からコメの輸出を原則、禁止していたが生産が回復したとして輸出禁止を解除した。世界最大のコメ輸出国のインドが再び、輸出し始めることからコメの価格は急落した。インドの輸出量が圧倒的に多い世界のコメ市場ではインドの輸出戦略が大きな影響を及ぼす。インドは2022年の世界のコメの輸出量の4割近くを占めていたが2023年には国内のコメ不足を心配し非バスマティ米の輸出を禁止。パーボイルド米の輸出に20%の輸出税を課した。コメは、インドの主食で気候変動による気象の変化から流通に支障が生じる可能性があったということだが季節的な雨が予想外に多かったことからコメの過剰生産につながり輸出が再開された格好。輸出禁止の解除は世界的な価格に影響することから貧しい国や、その市民の負担が軽減されることになり、インドからの安価なコメの輸入に頼る複数のアジアやアフリカの国の利益につながる可能性がある。業界や農業団体は売り上げが期待できるヨーロッパや米国市場で販売できるよう政府に対して輸出再開を促していた。今回、価格は下落したが、長期的な影響について結論を下すには時期尚早だと専門家はみている。一方、インド国内では輸出が再開されてもコメの生産コストが変わらないため国内のコメの価格はほとんど変わらないとみられ一般家庭の負担は変わらないとされている。