討論会の直後、記者団の前に現れたトランプ氏。自身の勝利を強く主張していた。ただ、アメリカのCNNテレビが討論会を視聴した人を対象に行った調査では、”ハリス氏がよかった”と答えたのは63%。”トランプ氏がよかった”と答えたのは37%だった。ロイター通信では、”トランプ氏の複数のアドバイザーさえハリス氏が勝利したと考えている”と伝えている。こうした中、トランプ氏の態度にも変化が。トランプ氏は、討論会翌日、「あらゆる世論調査で私が勝利した。再戦?検討してみる」と述べた。しかし、翌12日には”格闘技で敗者が最初に口にすることばは「再戦を望む」だ。世論調査では私が討論会で勝利したことは明らか。3回目の討論会はない!”と自身のSNSに投稿。ハリス副大統領との次の討論会に応じる理由はないと主張している。一方、ハリス氏は12日、”私たちは有権者に対してもう一度討論会を行う責任を負っている。この選挙とその争点はこれ以上ないほど重要だ”と反論し、改めて討論会の開催を求めた。こうした中、テレビ討論会でのある発言が波紋を広げている。トランプ氏は「テレビではそう言っていた、犬が食料になっていると」などと述べた。矛先を向けられたのは、オハイオ州のスプリングフィールドに住むハイチからの移民だ。移民は「私たちは犬を食べない。ばかげている。地元行政も証拠はないと言っている。」などと語った。実は、トランプ氏の発言に先立って共和党の上院議員らが、”アメリカにいるべきでない人たちによってペットがさらわれ食べられていると報告がある”とこうした主張をSNSに投稿した。イーロン・マスク氏も肯定するコメントを投稿して情報が拡散する事態となっているのだ。 12日には”市役所などに爆破予告”もあった。こうした状況を受けてハイチ政府は声明で、”仲間の尊厳を傷つけ、生命を危うくしかねない。こうした発言を断固として拒否する”としている。討論会後にロイター通信が行った支持率の調査結果は、前回8月に行った調査結果と比べて、ハリス氏のほうが少し上がっている。トランプ氏としては再び討論会をやって失点するのは避けたいという思いもあるのではないかとみられる。