バイデン氏の撤退で急遽大統領候補となったハリス氏。本当に大統領としての資質があるのか民主党支持者の間でも不安視する声があったが、初対決となったテレビ討論会ではトランプ氏の挑発にも乗らず、終始威厳と冷静さを保ったハリス氏。米国のCNNテレビの調査では、ハリス氏がよかったと答えた人は63%に上った。今回の討論会について米国の政治外交に詳しい専門家、上智大学・前嶋和弘教授は「しっかり言葉を返せるんだと民主党支持者の評価高い。」などと話した。討論は米国で深まる分断を反映して、具体的な政策論争には踏み込まず、自分の支持者に主張を訴えただけだと指摘。物議をかもした、トランプ前大統領の「スプリングフィールドでは流入した人が犬や猫を食べている」という発言についても受け止め方は党派によって全く異なる。当局が否定したという情報でも、共和党側から見ればすでに拡散されている事実として映り、トランプ氏の支持を下げることにはつながらないと指摘。前嶋教授は、今回の討論会では双方がそれぞれの支持層を固めるにとどまり、最終的には僅かな票の動きで勝負が決着すると見ている。トランプ前大統領はさらなるテレビ討論会には応じない考えを示し、ハリス副大統領との直接対決はこれが最初で最後となるかもしれない。投票日まで残り50日余り。