ガソリンに代わる燃料として開発されている合成燃料についてエネオスが今月、事業化に向けた実証プラントの本格稼働を始めたことがわかった。関係者によると建設工事が完了した横浜市のプラントで今月3日に燃料の最初の1滴、ファーストドロップを採取したという。合成燃料は工場などから排出される二酸化炭素と水素を掛け合わせて作るため、日本国内で賄える燃料として注目されている。今回のプラントは同じ施設の中で水素などの原料から合成燃料までを作る一貫製造ができる日本初のプラントとなる。完成した実証プラントの製造規模は日量1バレルだが、2040年度をめどに作る商用プラントでは、1万バレルにまで拡大させる計画。このプラントではFT合成という技術を使うことで製造した合成燃料をもとにジェット機燃料から、軽油、ガソリン、重油などさまざまな運輸業で使える燃料が製造できるようになる。エネオスは今後、商用化に向けコスト低減を進める予定。