80年前長崎の街で炸裂し、これまでに20万人以上の命を奪った原爆。おととい爆心地には追悼の祈りを捧げた。戦後80年が経った今、戦争の記憶を継承する重要性が高まっている。そうした被爆者の声を伝える活動を行っていた人物がいた。伊藤明彦さん。1971年から約8年で1000人以上の被爆者に取材したジャーナリスト。被爆者の証言から音声作品を制作し全国の学校や図書館に寄贈した。長崎市にある国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館には彼が録音に使用した機材やテープが今も保管されている。戦後80年の節目にそれらを展示する特別展が開催された。訪れた人からは「1000人に取材は大変だったと思う。伝えてくれて感謝」「(伊藤さんについて)初めて知った。この被害が忘れられることは絶対に避けたい」などの声が聞かれた。次に訪れたのは被爆建造物として戦争の記憶を継承するイタリアン喫茶「GIOIA」。ここで待ち合わせたのは編集者の西浩孝さん。伊藤さんの功績を後世に伝えるため去年から書籍の刊行を開始。西さんは「こういう人は埋もれさせてはいけないと忘れてはいけないと思った」などコメント。西さんは生の声が重要だという。そうした願いとは裏腹に軍事的な緊張の高まりとともに核を増強する動きを見せる国もある。日本は今後、どんな選択をするべきなのか。
住所: 長崎県長崎市出島町10-13