80年前のきょう、長崎に原爆が投下された。平和祈念式典では、この1年間で亡くなった被爆者などの名前が加えられた原爆死没者名簿が「奉安箱」に納められた。そして原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうが捧げられた。長崎市の鈴木市長は、平和宣言で「永遠に『長崎を最後の被爆地に』するために地球市民の皆さんと手を携え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に力を尽くしていくことをここに宣言する」と述べた。石破首相は「『核戦争のない世界』『核兵器のない世界』の実現に向けた国際社会の取り組みを主導していくことこそがわが国の使命」などと述べた。ことしは核保有国やイスラエル、パレスチナなどの代表も出席し、立場の違いを超えて犠牲者を追悼した。式典には長崎で13歳のときに被爆した日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳代表委員も参列した。去年日本被団協がノーベル平和賞を受賞し核廃絶への機運が高まると期待されたが、核兵器をめぐる国際情勢は厳しさを増している。全国の被爆者の平均年齢は86歳を超え、「被爆者なき時代」が迫っている。東京の小学5年生の細井奏志さんは、被爆者に代わって証言を行う「交流証言者」として活動を行っている。細井さんは「戦争を繰り返してはいけない」などと語った。