食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地は高齢者施設や企業などを中心に社員食堂や給食の新サービスを始めると発表した。オイシックスの看板商品は「ミールキット」と呼ばれる下処理された食材とレシピのセット。家庭で最後のひと手間を加えるだけで手軽に料理が完成する。このミールキットを高齢者施設や社員食堂などの法人向けに来年4月から提供するという。社食・給食の市場は2026年度には5兆円を超えると予想されていて、拡大市場への参入で成長につなげたい考え。オイシックスにとって大きな挑戦となる法人向け事業の背景にあるのが、今年1月にオイシックスが連結子会社化したシダックスの存在。給食大手のシダックスは全国1900カ所以上の企業や学校などに社食・給食サービスを展開している。シダックスが持つ販路にオイシックスのミールキットを拡大することで、買収の相乗効果を発揮できるとみている。簡単な調理で完成する業務用のミールキットは少人数での作業を手助けできるという。2030年には事業規模を1000億円に拡大したい考え。オイシックスは今年に入ってからケータリングサービスの「ノンピ」や、スイーツブランドの「ヒオリ」などM&Aにより連結子会社化している。3月に連結子会社化した青果店運営の「アグリゲート」は宅配サービスで販売できなくなった野菜を販売し、フードロス削減を目指している。子会社化した企業の事業を取り込み、相乗効果を生みながら事業を拡大していく戦略。堤祐輔取締役は「一緒になることが社会にもより良い場合は積極的にこれからも(M&Aを)していきたい」などと話した。
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