円安・インバウンド効果で百貨店が絶好調。大丸やパルコを傘下に持つJ.フロントリテイリングは今年2月までのグループ全体の1年間の決算が免税売上高で過去最高の721億円、高島屋では今年2月までのグループ全体の1年間の決算が営業利益459億円(前年比41.3%増)、最終利益316億円(前年比13.6%増)。全国百貨店年間売上高はコロナ禍で下がったがそこからは右肩上がりになっている。背景には外国人観光客の増加があり、今年3月の外国人旅行者は約308万1600人と過去最多となった。外国人観光客は1位韓国・2位台湾・3位中国・4位カナダ・5位香港からの旅行者となっている。1人当たりの消費額は1人平均20万8760円で平均9.3泊している。内訳は飲食費4万5468円、買物代6万496円などとなっている。一方で、百貨店店舗数は減少している。1月に島根「一畑百貨店」、2月に埼玉「新所沢パルコ」が閉店した。7月に岐阜「岐阜高島屋」が閉店予定。岐阜や島根は“デパートゼロ県”となり、インバウンド効果が届きにくい地方百貨店は厳しい現状で二極化が鮮明となった。外国人観光客に人気なのは、化粧品、紳士服、婦人服飾雑貨、ハイブランド、食料品などだという。高島屋では海外SNSの情報発信やバイリンガル店員の増員、松屋銀座では訪日客向けにアプリで取り置きサービスをスタートさせたりと百貨店が取り組んでいる。