「「恥ずかしい」ってなに?」というクイズが出された。正解は自分の居場所を守るための人間ならではの感情。聖心女子大学の菅原健介教授の解説。「恥ずかしい」は人間ならではの感情だと考えられている。なぜなら人は群れの中で生きる動物だから。群れを作る動物は他にもいるが中でも人間は社会的な動物で他の人がいないと生きていけない動物。人は家族や学校、会社などさまざまな社会の中で人との関わりを持って生きている。スーパーで食料を手に入れたり病院で治療を受けるのもそのひとつ。日常生活のさまざまな場面で社会と関わっている。一般的な生活を送るためには社会の中に自分の場所を確保しておかなければいけない。社会の一員でいられるようにするために役立つのが「恥ずかしい」という感情。例えば知り合いと間違えて他人に声をかけてしまったときの「恥ずかしい」という感情はどういう意味を持つのか。まず「変な人だな…」と思われることは社会の中での自分の評価が下がるということでもしかしたら社会から見放されるという可能性もでてくる。「恥ずかしい」という感情はその可能性を教えてくれる危険信号。私たちは社会から見放され居場所がなくなると生きていけなくなる可能性がある。社会の中で自分の評価が下がったときに「恥ずかしい」という危険信号のアラームが鳴ることで社会から見放されないよう自分の行動を見直し居場所を守ろうとしている。褒められて恥ずかしいもの同じ危険信号のアラーム。人から褒められて恥ずかしいのは相手からの評価に対して自分の能力が見合っていないと感じるからだという。「期待に応えられない」と思い相手から要求されたことを達成できないと自分の評価が下がり社会に居場所がなくなるのではというメカニズム。実際ちょっと恥ずかしいことをしたくらいで社会から放り出されることはないが、大昔から人は集団の中でそれぞれの役割を担って生き延びてきた面があるのでそのときの恐ろしさがアラームとして残っているのかもしれない。菅原先生は恥ずかしいときの表情も研究している。先生によると表情は主に4つに分けられる。左上の表情はマイナスの評価を受け入れたときで目を閉じたり下を向く特徴が見られる。左下の表情はプラスの評価を受け入れたときでこれぞドヤ顔。私たちは自分への評価が上がったり下がったりしたときそれを受け入れるか否かを言葉にせずにとも表情によって周囲に伝えようとする。マイナス評価を受け入れないときはおちゃらけた表情で本当の実力ではないとアピールする。プラス評価を受け入れないときは口を結び顔をそらしたり顔を隠してその評価から逃げようとする。