神戸市にある「KOBEとんぼ玉ミュージアム」には、とんぼ玉のほか美しいガラス工芸が展示されている。館長・宮本恭庸さんは阪神・淡路大震災に遭ったときは、神戸三宮で飲食店を営んでいた。実家でもあったその建物は全壊したという。震災から5年たち何か新しいことができないか考えた宮本さんは、飲食店の跡地で焼き物などを仕入れて販売する店を始めた。そんな中、ガラス工芸が集まるイベントに訪れた際、そこにあったとんぼ玉に魅了されたという。宮本さんが開館当初から行っているのが、とんぼ玉作り体験。とんぼ玉は、使っている火に大きな意味がある。追悼や、まちの復興を願う希望の灯り。毎年震災の日が近づくと、各地の追悼行事などのために火を分ける分灯が行われる。それに合わせ、その後1月だけは分灯した火を使ってとんぼ玉を作ってきた。震災に思いをはせながらとんぼ玉を作り、追悼の気持ちや突然起きる災害のことを心にとめておいてほしいと考えている。ミュージアムには、宮本さんの震災への思いを知り、国内外の作家からとんぼ玉やガラス工芸の作品が届いている。そこには、さまざまなメッセージが添えられていた。今年からは毎月17日に参加者も一緒に分灯を行って、とんぼ玉をつくるツアーを企画。そこで自身の震災の記憶も語り継いでいきたいという。
住所: 兵庫県神戸市中央区京町79
URL: http://www.lampwork-museum.com/
URL: http://www.lampwork-museum.com/