従業員のモチベーションを上げる工夫で、人材の定着につなげようという取り組みが広がっている。横浜市内にあるフィットネスジムでは、4月からインストラクターのモチベーションを上げることを目指した仕組みを導入した。客が指導に満足すると、スマホを通して200円〜1500円分のチップをインストラクター個人に送れるようにした。チップは店を通さず、客から全額受け取れるのが特徴。このシステムを開発したベンチャー企業によると、賃金の引き上げは簡単なことではないため、チップの導入によってモチベーションアップを目指す企業は増えているという。
お金以外の部分で、従業員のモチベーションを引き出そうという企業も出ている。大手ハンバーガーチェーンは従業員のためにことし3月、社内で音楽レーベルを設立した。従業員の中にはプロのミュージシャンを目指している人が少なくないため、そうした人にデビューのチャンスを提供している。アルバイト歴2年の本田琉愛さんは、ミュージシャンを目指す18歳。先週、初めて開催した社内オーディションに参加し、弾き語りを披露した。オーディションに参加した人が働く店舗では、同僚が応援してくれるなど店の連帯感が強まるという好循環も起きている。ハンバーガーチェーンによると、ことし4月と5月のアルバイト応募者はオーディションの効果もあり、前の年と比べて3割増えたという。現在の円相場は1ドル＝159円67銭〜71銭で取り引きされている。