NHKのニュースサイトから深掘り記事を紹介。きょう紹介するのは「25歳で乳がんに。子どもが欲しい、だから…」という記事。乳がんと診断された後、がんの治療を抱えながら妊娠・出産に向き合った夫婦の思いを取材した。千葉県に住むホノカさんは25歳のときに乳がんと診断された。結婚を目前に控え、子どもがいる将来を考えていた矢先のことだった。ホノカさんのがんは初期の段階で見つかったが、医師からは「抗がん剤治療によって卵巣の機能が低下し、将来妊娠が難しくなる可能性がある」と伝えられた。一方、「治療を始める前に自由診療で自己負担はあるものの受精卵や卵子の凍結を行うことで妊娠できる可能性を残せる」とも説明を受けた。がんのリスクを抱えながら受精卵の凍結を行うべきか、当時結婚を約束していた今の夫・トシキさんと2人で真剣に話し合った。がん治療を始める前に受精卵の凍結保存などに取り組む方法は、妊娠するための力=「妊孕性温存療法」と呼ばれている。男女問わず子どもを含む若い世代のがん患者が将来子どもを授かる可能性を残せるようにするもの。話し合いの末、2人は受精卵の凍結保存を決断。無事に凍結保存まで終えた後、手術で元を取り除き再発を防ぐ抗癌剤治療やホルモン療法を始めた。そして治療開始から3年、ホルモン療法は5~10年継続することが必要とされているが、医師に相談の上がん治療の中断と受精卵の移植を行うことを決める。治療の中断から半年ほどの時間をおいて去年5月に受精卵を移植、今年1月に第一子を出産した。子どもが欲しいという思いとがんの再発への不安、ホノカさんは「正解がない中でも正しい情報を知って選択できたことが良かった」と話す。こうした患者の治療・選択を支えるため、千葉県では「千葉県がん・生殖医療相談支援センター」が2021年に設置され、患者からの相談を受けるほか、県内のがん治療や生殖医療の医療機関をつなぎ治療の連携を進めている。患者の相談支援を行う看護師・吉野有希子さんは「がんの診療自体が進歩し、その後の人生にも視点がいくようになっている。提供された情報をもとに自分で決定できるところへつながればと思う」と話す。
