古都ゆかりの文化のルーツをひもとく。今回のテーマは文化財。京都を始めとする仏像の修理を主に手掛ける文化財修理所の所長・高橋利明さんは、国指定の文化財から名もなきものまで400体に上る仏像を修理してきた。経年劣化に加えて虫食いなどの被害がある600年以上前につくられた仁王像は、傷んだ部分の形に合わせてヒノキを削って隙間を埋め、小さい隙間は漆や小麦粉を練り混ぜたもので埋めていく。3日間乾かして余分なところを慎重に削って本来の肌合いに近づける。虫食いの穴を樹脂で塞いで修理は終わる。修理中に思わぬ発見をすることもあるという。