日本経済新聞のコメンテーター・村山恵一が解説する。注目記事は、6日の日系電子版“OpenAIが「GPT-5.4」提供、Excelと連携 アンソロピック上回る性能”。今月5日、アメリカのOpenAIがAIの新しいモデル「GPT-5.4」の提供開始を発表。表計算のエクセルやプレゼン資料作成のパワーポイントなど、これまで以上に巧みに扱えるのが特徴。プログラミングの行動を生成する能力も高めた。企業内業務の自動化を進める同様の機能はアンソロピックなども力を注いでおり、競争が激しくなっている。「GPT-5.4」で特に注目は、コンピューター操作能力の高さ。新モデルは操作の成功率75%を達成し、人間の成績である72.4%を上回る。現在人間が行っているようなソフトの操作であれば、AIが肩代わりすることが技術的に可能になっている。これからはAIがソフト利用の中心的な存在になる、と予感させる動きが目立つ。OpenClawは、人の代わりにパソコンを動かせるようにするオープンソースだが、その開発者をオープンAIが採用。アンソロピックも同時期にAIによるパソコン操作の技術を持っているアメリカの新興企業を買収したと発表。エージェンティック・コマースとはAIエージェントが人間の代わりに商品の検索・比較・購入・決済までを主導する仕組み。高度な表計算や資料作りをAIがしてくれるとなれば、個人にはプロセス全体の管理力が求められるようになる。AIがデジタル従業員として組織に入り込むことを意味する。AIエージェントは今後、本格的に普及するとみられている。ソフト操作への人間の介入が減るということは業務の自動化レベルが上がるということでもある。AIには業務の自動化・生産性の向上が期待されるが、不適切なソフトやデータの利用・暴走というリスクもある。人間がAIを一つ一つID管理し、デジタル従業員を監視・監督することが欠かせない。
